私は以前、十年ほど、小説新人賞のいわゆる下読み担当をさせていただいてました。
下読み担当とは、簡単に言えば一次審査のスタッフです。
もちろん、私はプロの作家ではありません。
また、小説を書いたこともありませんし、大学の文学部を卒業したわけでもありません。
ただ、幼い頃から文章を読むことが好きで、物語に限らず色々な本を読み、そうした興味もあって学生時代にとある出版社でアルバイトをしていました。
声をかけていただいた経緯も不明で、そのアルバイト時代に、いわゆる文豪作品についてわけしり顔で喋っていたことが目に留まったのかも知れません。
もっとも、何やかや続けていくうちに、それがつてとなってエンターテイメント系、純文学系の新人賞の幾つかに関わり、約十年が経過しました。
その間、私は下読みを生業としていたわけではなくサラリーをいただく身で、その間に結婚、出産、子育て、家事etcと忙しく、作品に向き合うのは夫が寝静まった後の深夜から朝方にかけてということも。
そんな多忙な生活が続き、十年を契機に普通の生活に戻ったわけですが、ずっと小説に関わってきた生活が続いていたものですから、ちょっと淋しさも…最近感じたりもします。
でも、あのダンボール箱に入った夥しい数の作品を見るのは、やや気が引けます。
そんな時、ある作家さんに相談したところ、「じゃあ、小説の教室か何かやってみれば」と言われ、教室かぁー、先生かぁーとも考えたのですが、最近の自分の生活リズムから、なかなか休日に家を空けることも難しく、
そんなこんなで、このサイトを立ち上げた次第です。
現在、私は旧知のプロ作家さん数人の初稿を拝見し、感想を述べさせていただいてます。
もちろんタダです(笑)
出版社の編集者は、基本、作品の良し悪し、または世に出すうえでの細かなチェックはしても、作家さんの作品に対するストーリーや構成への言及はしません。
そこで、私が大枠での客観的な意見を差し上げるわけです。
もちろん、無視されることもありますが(笑)、それはそれ。作家業は孤独な作業なため、そうした客観的な視点での感想は重宝されるんですね。
私の夢は、このサイトで自分が見出した新人小説家さんをサポートすることで、海外での出版や映画化、ドラマ化、作家本人のタレント活動といった幅広い活躍に繋げることです。
もちろん、無料でさせていただきます。
夢だけは広がります。
ただし、何分、短絡的な人間ですので、試しにとやってみましたが、「やっぱりやめた」と言い出すかも知れませんが……
気力が続く限りは、小説家を目指す皆さんの一助になり、また、自分がこよなく愛する小説と、これからもずっと触れ合っていきたいな、と思っています。