小説作成において、とても重要なことを申し上げます。
小説は、読むためのものであることは、皆さんもご存知なはずです。
決して、その存在意義は、書くため、ではありません。
こう申し上げるには、理由があります。
長年、下読み担当をしていると、本当に多くの作品に巡り会うわけですが、
小説を、書くため、のものと誤解していらっしゃる方が大勢います。
これは紛れもない事実です。
では、書くためのもの、と誤解している方の例をあげます。
・読者が理解できない、読みづらい、難解な文章を書く
これが最も多い例です。
この誤解は、多く純文学作家の志望者に多く見られます。
その誤解を生む原因は、純文学=難解なもの、という理解です。
これは断じて誤りであり、文体は難解さで評価されることはありません。
次に多い例は、
・ストーリーよりも文体を重んじている
この誤解も多く見られる事例です。
つまり、文体に固執するあまり、ストーリーがなおざりになってしまっている例です。
小説は、ストーリーが命です。
これは肝に銘じておいてください。
そうでないと、執筆にかけた長大な時間が無駄になります。
稀に、読ませる文体を書かれる作者の方がいますが、そうした場合にもストーリーがあってこその文体です。
また、この価値観は、エンターテイメント作品はもとより純文学作品でも同様です。